近年、換気不足による室内の空気環境悪化が懸念されています。CO2濃度が高くなると、在室者の作業効率や健康に悪影響を与える恐れがあります。しかし、CO2濃度は目視できないため、把握が困難です。そのため、適切な換気を行う手段としてCO2センサーが利用されるようになりました。
2019年12月初旬に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行した際、厚生労働省は密閉・密集・密接を避けるよう呼びかけました。これらの3つの「密」を避けるための一つの方法として、CO2濃度の測定が推奨されました。このように、CO2センサーは換気不足の改善を目的として導入され、現在も幅広く使用されています。
本コラムでは、CO2センサーの基本的な仕組み、用途、そして選び方について詳しく解説します。
CO2の具体的な影響
高濃度のCO2は、作業効率の低下や作業者の健康被害を引き起こすリスクがあります。例えば、二酸化炭素濃度が1000ppmを超えると、頭痛や集中力の低下を招くことがあります。これが長期間続くと、重大な健康問題に繋がる可能性があります。したがって、CO2センサーを導入してリアルタイムでCO2濃度を監視し、必要な対策を迅速に講じることが求められます。
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*¹出典:「冷熱製品サイト CO2 モニター」 三菱重工サーマルシステムズ
換気の重要性
2019年12月初旬に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行した際、3つの「密」を避けるための一つの方法として、CO2濃度の測定が推奨されました。
全国の新規感染者数の推移を見ると、夏と冬に感染者が増加しています。
これらの理由に関しては、窓を閉め切ってエアコンをつけているためです。どれほど、こまめな換気の重要性が一層明らかになります。
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*²出典:「全国の新規感染者数の推移(厚生労働省まとめ)」 読売新聞 2023年4月15日
CO2センサーとは
CO2センサーは、周囲の空気中に含まれる二酸化炭素(CO2)の濃度を測定する装置です。これにより、室内の空気質をリアルタイムで把握し、適切な換気や空調の調整を行うことができます。CO2センサーは、主にNDIR(非分散型赤外線)技術を使用しており、高精度かつ迅速な測定が可能です。また、一部のセンサーは光学式や化学式の技術を用いており、用途や環境に応じた選択が求められます。
NDIR技術の詳細
NDIR技術は、赤外線を利用してCO2分子を検出する方法です。具体的には、特定の波長の赤外線がCO2分子に吸収される特性を利用します。この吸収量を測定することで、CO2濃度を高精度に検出することができます。この技術は、長寿命で信頼性が高く、メンテナンスが比較的容易であるため、広く使用されています。
高精度NDIRデュアルビーム方式はCO2分子が吸収する波長と、ガスの影響を全く受けない波長のリファレンスセンサー光源の2波長を使用する方式です。また、一つの光源から2つの波長の測定差異を用いるため、長期間使用時にも測定誤差が起きにくいといった特徴を持っていることから、通常のNDIRシングルビーム方式よりも、経年劣化による誤差が生じにくいセンサーのため、頻繁に校正を行う必要がありません。
高精度NDIRデュアルビーム方式のセンサーを搭載しているのは、省エネ・IoT・環境改善だけです。
*³出典:「CO2モニター『マーベルシリーズ』」CHC GROUP
CO2センサーの選び方
2021年に5万円台のCO2センサーとネット通販で1万円以下で購入したCO2センサーで実験を行った際に、ネット通販の中にはCO2を計測するものではなく、アルコールやアンモニアなどの有機ガスを計測するセンサーが内蔵されているものがありました。
*⁴出典:「独自検証“CO2センサー”粗悪品か“密”反応せず」ANNnews 2021年8月10日
このことから、CO2センサーの選び方はとても重要です。
①遠隔操作で操作・監視が可能
遠隔操作や監視が必要とされる環境の場合は、離れた場所からでもスマートフォンやPCを使い、リアルタイムでCO2濃度が監視でき、異常値を検知した場合はメールで通知が届くセンサーをお勧めします。また、大規模な施設では、複数のセンサーを一元管理できるため、効率的な監視と運用が可能です。
②CO2センサーからデータ収集
単なるモニタリングにとどまらず、収集したデータを活かして空調システムの最適化やエネルギー管理をしたい場合は、測定データをクラウドに蓄積し、過去データをCSV形式で出力することが可能なセンサーをお勧めします。
③メンテナンスとキャリブレーション
一部のセンサーは定期的なキャリブレーションが必要です。メンテナンスの手間やコストも考慮に入れ、適切なセンサーを選びましょう。自動キャリブレーション機能を持つセンサーもあり、メンテナンスの手間を大幅に軽減することができます。キャリブレーションの頻度や方法についても事前に確認しておくことが重要です。
C.H.C.のCO2センサーの使い方・機能性
①遠隔操作で操作・監視が可能
省エネ・IoT・環境改善のCO2センサーは、スマートフォンやPCを使用して遠隔操作が可能です。これにより、離れた場所からでもリアルタイムでCO2濃度を監視することができます。異常値を検知した場合には、メールで通知する機能もあり、迅速な対応が可能です。これにより、離れて暮らす家族が快適な室内環境で過ごしているかを確認することができ、設備の効率的な運用による電気代の削減にも寄与します。例えば、CO2濃度が一定以上になった場合に自動で換気システムを作動させることで、エネルギー消費を最小限に抑えることができます。
②CO2センサーから得られるデータ
CO2センサーから得られるデータは、単なるモニタリングに留まらず、空調システムの最適化やエネルギー管理にも利用できます。例えば、長期間にわたるデータを分析することで、季節ごとの空気質の変化や設備の劣化傾向を把握することが可能です。これにより、予防保全や効率的な運用計画を策定できます。また、測定データをクラウドに蓄積し、過去データをCSV形式で出力することも可能です。
CO2 センサーで省エネへ!!
適正な換気によって、電気料金を削減することが可能になります。
過度な換気は、エアコンにかかる熱負荷が過剰になり、結果として無駄にエネルギーを消費してしまいます。特に夏場の場合を考えてみましょう。
外気温度が32℃で室内温度が27℃の場合、エアコンで冷やした空気が外に逃げ、外気の暑い空気が室内に取り入れられることになります。これにより、エアコンへの負荷が大きくなり、電気料金が急増することになります。したがって、取り入れる外気を最小限に抑えることが、エネルギー消費の削減と電気料金の抑制に重要であることがわかります。
専門のコンサルティングサービスを利用することで、エネルギー消費の削減と電気料金の抑制を可能にすることができます。省エネ・IoT・環境改善の空調コンサルティングを提供している企業も多く、適切なアドバイスやサポートを受けることができます。これにより、効果的な空調管理を実現し、エネルギーコストの削減と環境保護を同時に達成することが可能です。
さらに、最適なCO2センサーの選定から設置、運用、メンテナンスまで一貫したサポートを受けることができます。また、空調システム全体の効率化や省エネ対策の提案も行ってもらえるため、長期的なコスト削減が期待できます。特に大規模な工場や複雑な施設では、専門家の知識と経験が不可欠です。
事例紹介
建築基準法では換気回数は定められていますが、適切な換気を確保しつつ省エネを達成するためには、CO2濃度の管理が鍵となります。ビル衛生管理法ではCO2濃度1,000ppm以下が健康的とされており、これを基準に全熱交換機の制御を提案しました。
お客様は24時間365日運転している全熱交換機の省エネが可能であることを知り、適切な換気と省エネの両立に興味を持たれました。CO2センサーを導入し、CO2濃度を可視化して全熱交換機を制御することで、導入初年度に省エネ率25%、2年目は28%、3年目には30%近くの省エネ効果を達成しました。投資回収もわずか1. 5年で、お客様に非常に喜ばれました。
CO2センサーは省エネ・IoT・環境改善にお任せを!!
現代企業にとって、省エネルギーと環境保全は重要な課題です。特に産業部門では、CO2排出の削減と作業環境の改善が急務となっており、CO2センサーの導入はその第一歩です。CO2センサーは、室内空気質の監視や改善、エネルギー効率の向上、そして健康管理において非常に重要な役割を果たしています。適切なセンサーの選び方や使い方を理解し、適切な製品を選定することで、持続可能な環境を実現することができます。
省エネ・IoT・環境改善は専門のコンサルティングサービスを利用することで、導入や運用に関する不安を解消し、効果的な管理を行うことができます。定期的な点検と適切なメンテナンスにより、CO2センサーの性能を最大限に引き出し、設備の寿命を延ばすことも可能です。ぜひ、CO2センサーの導入を検討し、環境保護とエネルギー効率の向上に貢献しましょう。
CO2センサーに関する相談はぜひ当社にお任せください。お問い合わせはお気軽にどうぞ。
大久保産業は、地域と地球の未来のために全力でサポートいたします。