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省エネ換気とは? CO2センサー制御で工場・オフィスの「無駄な換気」をなくし電力コストを削減! 2025.11.14

 

製造工場やオフィスビルにおける電力消費のうち、「空調・換気」が占める割合は非常に大きく、全体の30〜50%に達するといわれています。換気は、作業者の安全確保や室内空気環境の維持には欠かせませんが、一方で外気を取り入れる際に熱エネルギーを大量に失うため、冷暖房効率を大きく低下させる要因となります。そのため、「換気によるエネルギーロスをいかに抑え、必要な空気質を維持するか」が、省エネ施策における重要課題として注目されています。

 

換気による省エネとは?

換気による省エネとは、必要換気量を精密に制御しながら、過剰な外気導入を抑制することで、エネルギー消費を最小限に抑える換気手法を指します。単に換気設備の稼働時間を短縮するのではなく、「人の在室状況」「CO₂濃度」「外気温度」「室内湿度」などのデータを基に、最適な運転を行うことがポイントです。

従来の換気は、時間帯や設備設定により一律運転されるケースが多く、実際の使用状況とは無関係に稼働し続けていました。これにより、空調負荷の増大や電力浪費が発生し、結果的にコスト高と環境負荷を引き起こしていました。

近年では、省エネと快適性を両立するために、「制御」「見える化」「自動化」を組み合わせたスマート換気システムが主流になりつつあります。特に、CO₂濃度に応じて換気量をリアルタイムに調整する「CO₂制御換気」は、エネルギー削減効果が高く、環境省や自治体の省エネ支援事業でも注目されています。

このように、省エネ換気は単なる節電対策ではなく、快適な空間環境と省エネルギーの両立を実現する、次世代型の空調制御技術といえます。

 

従来の換気が抱える課題

従来の換気システムは、室内の空気を一定時間ごとに排出し、外気を取り込む「時間制制御型」や、温度を基準とする「温度連動型」が主流でした。これらの方式では、室内の人の在室状況やCO₂濃度といったリアルな空気環境を正確に反映できないため、結果として必要以上の換気=過剰換気が生じやすいという課題を抱えていました。

過剰換気は、外気を大量に導入することで室温を乱し、冷暖房機器に余分な負荷を与えます。特に冬場は暖気を、夏場は冷気を失うことで、空調機のエネルギー消費が増加します。たとえば、1時間あたりの換気回数を過剰に設定した場合、空調負荷は最大で20〜30%増大することもあり、結果として光熱費の高騰を招きます。

また、換気ファンが常時運転する環境では、機器のモーター寿命の短縮やメンテナンスコストの増大といった二次的な課題も発生します。工場やオフィスでは、複数の換気系統を持つケースが多く、全体で見ると年間数十万円〜数百万円規模の無駄な電力コストが発生している可能性もあります。

さらに、人の出入りや作業負荷が変動する環境では、換気不足や過剰換気が断続的に繰り返され、空気質(IAQ:Indoor Air Quality)の安定性が損なわれます。これは、作業者の集中力や快適性にも悪影響を及ぼすため、単なる省エネの問題にとどまらず、「職場環境の品質」にも直結する重要課題といえます。

このような課題を解決するためには、「室内環境の状態を見える化し、必要なときに必要なだけ換気を行う」――つまり、データに基づいた制御型換気への転換が求められます。次章では、この解決策として注目されている「CO₂見える化」の技術について詳しく解説します。

 

CO2の見える化とは?

「CO₂見える化」とは、室内の二酸化炭素(CO₂)濃度をリアルタイムで計測し、その数値をモニターなどに表示する仕組みを指します。これは単なるデータ表示ではなく、換気の必要性を“数値で判断できる”状態にすることを意味します。人の在室状況や作業負荷に応じてCO₂濃度は変動するため、このデータを活用することで、必要最小限の換気運転を行うことが可能になります。

一般的に、室内のCO₂濃度が1000ppmを超えると空気がこもった状態となり、集中力や作業効率の低下を引き起こすといわれています。従来はこの数値を感覚的にしか把握できず、過剰換気や換気不足が発生していました。しかし、CO₂センサーによって濃度を「見える化」することで、空気環境の状態を誰でも即座に確認でき、換気ファンや空調設備の運転制御に反映させることができます。

この見える化の最大の効果は、「換気の最適化による省エネ」と「快適性の維持」を同時に実現できる点にあります。たとえば、在室人数が少ない時間帯は自動的に換気量を絞り、CO₂濃度が上昇したタイミングでのみ強制換気を行うといった制御が可能です。これにより、エネルギーロスを最小限に抑えながら、常に快適な室内環境を保つことができます。

また、CO₂データは蓄積・分析が可能であり、施設ごとの「空気環境プロファイル」を作成できます。これにより、どの時間帯・どのエリアで換気負荷が大きいのかを特定し、空調設備や換気ダクトの運用改善にも役立てることができます。つまり、CO₂見える化は単なるセンサー技術ではなく、データ活用による“継続的な省エネ改善ツール”でもあるのです。

さらに、見える化によって従業員や管理者が「空気環境を意識する」ようになることで、省エネ行動の促進や職場の健康意識向上といった副次的効果も生まれます。数値で可視化された空気の状態は、企業の環境経営や脱炭素施策の推進にも大きく貢献します。

 

CO2センサー・コントローラーとは?

CO₂見える化の次のステップとして注目されているのが、「CO₂センサー連動制御による省エネ換気システム」です。これは、単に濃度を測定して表示するだけでなく、CO₂濃度の変化に応じて換気設備を自動制御する仕組みです。つまり、データを“見て終わり”ではなく、“見て即座に制御に反映する”ことが可能になります。

このシステムの中心となるのが、CO₂センサー・コントローラーです。室内に設置されたCO₂センサーがリアルタイムで濃度を計測し、設定値(例えば800〜1000ppm)を超えると、自動的に換気ファンを稼働させます。濃度が基準値以下に下がると、ファンを停止または低速運転に切り替えることで、余分なエネルギー消費を抑制します。これにより、手動操作や時間制制御では難しかった“必要時のみ換気する”運転を実現します。

>>CO2センサーの重要性と選び方

 

さらに、大久保産業株式会社が取り扱うのCO₂センサー・コントローラーは、計測・制御・記録を一体化したAll in One構造を採用しています。これにより、複雑な配線や外部制御装置が不要で、既存の換気設備に簡単に後付けできる点が大きな特長です。校正機能(キャリブレーション)も本体に内蔵しており、定期的なメンテナンスコストを1/2〜1/3に削減できます。

また、CO₂データはロギング(記録)されるため、日々の換気運転を分析し、最も効率の良い制御パターンを見つけ出すことが可能です。これにより、単発的な省エネではなく、継続的な改善(PDCAサイクル)が実現します。例えば、CO₂濃度の推移と外気温度データを組み合わせることで、季節別・時間帯別に最適な換気制御を自動学習させることも可能です。

このようなCO₂連動制御システムにより、年間で最大25〜30%の電力削減が期待できます。さらに、快適な空気環境を維持しながら、冷暖房効率を向上させることができるため、工場や事務所、学校、医療施設など、幅広い建築用途での導入が急増しています。

CO₂制御による省エネ換気は、もはや単なる省エネ機器ではなく、「人の活動」と「設備の運転」をつなぐインテリジェントシステムとしての価値を持っています。

 

事例紹介

建築基準法では換気回数は定められていますが、適切な換気を確保しつつ省エネを達成するためには、CO2濃度の管理が鍵となります。ビル衛生管理法ではCO2濃度1,000ppm以下が健康的とされており、これを基準に全熱交換機の制御を提案しました。

 

お客様は24時間365日運転している全熱交換機の省エネが可能であることを知り、適切な換気と省エネの両立に興味を持たれました。CO2センサーを導入し、CO2濃度を可視化して全熱交換機を制御することで、導入初年度に省エネ率25%、2年目は28%、3年目には30%近くの省エネ効果を達成しました。投資回収もわずか1. 5年で、お客様に非常に喜ばれました。

 

CO2センサーは省エネ・IoT・環境改善にお任せを!!

現代企業にとって、省エネルギーと環境保全は重要な課題です。特に産業部門では、CO2排出の削減と作業環境の改善が急務となっており、CO2センサーの導入はその第一歩です。CO2センサーは、室内空気質の監視や改善、エネルギー効率の向上、そして健康管理において非常に重要な役割を果たしています。適切なセンサーの選び方や使い方を理解し、適切な製品を選定することで、持続可能な環境を実現することができます。

 

省エネ・IoT・環境改善は専門のコンサルティングサービスを利用することで、導入や運用に関する不安を解消し、効果的な管理を行うことができます。定期的な点検と適切なメンテナンスにより、CO2センサーの性能を最大限に引き出し、設備の寿命を延ばすことも可能です。ぜひ、CO2センサーの導入を検討し、環境保護とエネルギー効率の向上に貢献しましょう。

 

CO2センサーに関する相談はぜひ当社にお任せください。お問い合わせはお気軽にどうぞ。

 

大久保産業は、地域と地球の未来のために全力でサポートいたします。

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