近年、フロンガスに対する関心が再び高まっています。
モントリオール議定書に基づくCFCやHCFCの削減努力が進展し、オゾン層の回復が期待される一方で、HFCの使用が増加し、地球温暖化への影響が懸念されています。キガリ改正によりHFC削減が求められ、各国は新たな規制と技術開発に取り組んでいます。
この状況下で、企業のフロン管理と点検の重要性がこれまで以上に増しています。
本コラムでは、フロンという言葉の定義・意味からフロン点検の重要性、そして企業が取り組むべきアクションまで‘‘フロン点検のプロフェッショナル‘‘が徹底説明いたします。
〈フロンってなに?〉
~フロンの誕生~
20世紀初頭、冷蔵庫や冷凍庫にはアンモニアや二酸化硫黄、メチルクロライドが冷媒として使用されていましたが、これらは毒性、腐食性、可燃性などの問題を抱えていました。1928年、アメリカの科学者トーマス・ミッジリーが問題を解決するためにフロンを開発しました。ミッジリーはその安全性を示すため、フロンを吸い込んでろうそくの火を消すデモンストレーションを行うことにより、フロンが無害であることが広く示されました。
〜今の使用用途は?~
現在は、幅広く使用されており、下の図が工場やオフィス、飲食店などで多く使用されているものの一覧です。
・パッケージエアコン | ・スクリュー冷凍機 | ・内蔵型ショーケース | ・スポットエアコン |
・業務用冷凍庫 | ・冷水機 | ・ターボ冷凍機 | ・冷凍冷蔵ユニット |
・チラー | ・別置型ショーケース | ・輸送用冷凍冷蔵ユニット |
専用のフロン管理システムで点検・管理を”楽に”します!
独自のクラウド型フロン管理システムで、フロン排出抑制法厳守に必要な作業履歴、帳票類の管理をおこないます。点検記録薄を含む全ての帳薄類をデータに保管・管理しペーパーレスで対応します。簡易点検・定期点検の依頼も可能で、”面倒な点検や管理の手間をオール外注”いただけます!クラウドなため、現場を歩き回りながらタブレットを活用してスムーズな点検を行います。お客様も、点検・作業内容の履歴、結果をいつでも確認いただけます。
~漏れている可能性も!?~
冷媒として広く使用されているフロンは、案外気づかないうちに漏れていることがあります。以下は、フロンの漏れる典型的な例とその影響についての説明です。
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商業用冷凍設備:スーパーやレストランなどの冷凍・冷蔵設備でも、配管の亀裂や機器の老朽化によりフロンが漏れることがあります。これにより、保存されている食品が適切な温度で保たれず、品質や安全性に問題が生じることがあります。
- 産業用冷却システム:工場などで使用される大型の冷却システムでも、冷媒フロンの漏れが問題となることがあります。冷媒の漏れは冷却効率の低下を招き、設備全体の稼働に影響を与えるだけでなく、環境にも悪影響を及ぼします。
異常音や不規則な振動が発生したり、冷暖房効率が低下した場合、フロン漏れの可能性が考えられます。フロンが原因でない場合でも、何らかの問題が生じている可能性があるため、一度確認することをお勧めします。
適切な管理と点検を通じて、フロン漏れを防ぎ、環境保護を推進していくことが重要です。
〈フロンガスの環境への影響と点検の重要性〉
~環境への影響~
・オゾン層破壊:大気中の塩素原子がオゾン分子を分解します。これにより、オゾン層が薄くなり、有害な紫外線が地表に届きやすくなります。オゾン層が薄くなると、有害な紫外線が地表に届きやすくなり、人間の皮膚がんや目の病気、さらには生態系全体に悪影響を及ぼします。
・地球温暖化:フロンは二酸化炭素に比べて、温室効果が非常に強く、地球温暖化を加速させる原因となります。これにより、異常気象の増加、海面上昇、生態系の変化など、地球環境に大きな影響を与えます。
~点検の重要性~
・企業の社会的責任として法令遵守は不可欠です。特にフロンに関する「フロン排出抑制法」と「モントリオール議定書」は重要で、適正な管理と排出抑制が求められます。点検を怠ると、機器の故障や事故のリスクが高まり、大きな損失を招く可能性があります。
これらのリスクを防ぐためには、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。
「フロン排出抑制法」において、「管理者の判断基準」として遵守しなければならない重要事項の一つに点検が含まれます。この点検には、簡易点検と定期点検の2種類があります。
【簡易点検と定期点検の対象と点検内容・頻度】
点検内容 | 点検頻度 | 点検実施者 | |
【簡易点検】
全ての第一種特定製品* |
・冷蔵機器及び冷凍機器の庫内温度
・製品からの異音、製品外観(配管含む)の損傷、腐食、錆び、油にじみ並びに熱交換器の霜付き等の冷媒として充填されているフロン類の漏えいの兆候有無 |
・3か月間に1回 | ・実施者の具体的な限定無し |
【定期点検】
うち、圧縮機に用いられる電動機の定格出力が7.5kw以上の機器 |
・定期的に直接法や間接法による専門的な冷媒漏えい検査を実施 | ・7.5kw以上の冷凍冷蔵機器
:1年に1回以上 ・50kw以上の空調機器 :1年に1回以上 ・7.5~50kw未満の空調機器 :3年に1回以上 |
・機器等に関する十分な知見を有するもの(社内・社外を問わない) |
フロン類をみだりに放出すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。命令違反(指導・助言・勧告・命令を経て命令に違反した場合)には50万円以下の罰金、虚偽報告や検査拒否(報告徴収に対する未報告、虚偽報告、立入検査や収去の拒否、妨げ、忌避)には20万円以下の罰金が科せられます。
算定漏えい量の未報告や虚偽報告の場合は10万円以下の過料が科せられます。
法令に基づく点検を行い、機器の状態を常にチェックすることで、フロンの漏れを防ぎ、機器の寿命を延ばし、環境保全に寄与できます。
~企業の持続可能な成長~
エネルギー消費の削減につながり、企業のコスト削減にも寄与します。また、環境に配慮した取り組みは企業イメージの向上にもつながり、持続可能な成長を支える重要な要素があります。
〈成功事例〉
①空調機の清掃工事で節約へ
内部のほこりやカビを除去することで、衛生的な環境を確保し、空調機の効率が改善され、電気代の節約を実現しました。また、清掃と適切な手入れにより、エアコンの寿命が延び、長期的なコスト削減にもつながります。当社では、エアコン清掃に加え、空気清浄機や加湿器の設置、定期的なメンテナンスなど、トータルで空調環境の改善を提案しています。エアコンの清掃・点検、空調機の不具合、電気代削減に関するご相談はお気軽にどうぞ。
②空調機清掃で粉塵防止へ
お客様から粉塵で汚れたフィルターの清掃についてご相談を受けました。特製のフィルターを設置して粉塵除去の対策をされていましたが、一定量の粉塵がフィルターを通過し、空調機内部に蓄積していました。これを放置するとカビや細菌の繁殖の原因となるため、清掃工事を行いました。
まず、薬品洗浄・水洗いができない箇所を現地調査で確認し、印をつけました。その箇所は清掃員が入念にふき取り、吸引機で粉塵を除去しました。また、結露防止用の保温材が困難を極めるため、ガラス繊維の保温材を取り外しやすいものに変更し、アルミテープで封じ込めました。施工後、工場の方々からは空気が良くなったとお褒めの言葉をいただきました。
〈フロンに関する機械の点検・相談は徳島県の省エネ・IoT・環境改善にお任せください!〉
現代企業にとって、省エネルギーと環境保全は重要な課題です。特に冷媒として使用されるフロンガスの適正管理は不可欠です。徳島県で省エネ・IoT・環境改善を推進する大久保産業は、‘‘フロン点検のプロフェッショナル‘‘として、機械の点検や相談を強力にサポートします。
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大久保産業は、省エネ・IoT・環境改善に関する多岐にわたるサポートを提供し、企業の持続可能な発展を支えます。フロンに関する点検や相談はぜひ当社にお任せください。お問い合わせはお気軽にどうぞ。
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